○ USB電源のノイズ対策
ArduinoのA/D変換を行うと値が安定しない事が多々あります。
・センサー配線のノイズの影響
・電力を消費する機器(リレーモジュールなど)と電源を共有し動作させると電源電圧が変化して値が変わる
・電源のノイズによる影響
などの影響によりA/D変換の値が安定しない事があるようです。
センサー配線のノイズはコンデンサとインダクタで少なくし、電力を消費する機器の電源は共有しないなどの対策を取る事で安定に近づきますが、
今回は、電源のノイズを少なくするフィルタを作成する事にします。
■ USB端子の極性
USB端子を正面からのぞいた図です、右側赤色が+極、左側青色が−極になります。
そのため、USBに差し込むタイプのライトだとこのような極性がかかります。
USBオスコネクタの場合には反対側から見ているため、左が+、右が−となります。
USBポートジャックでは極性がこのようになります。
■ ノイズフィルタの作成
▼ ノーマルモードノイズ(電源のプラスとマイナスを抜けるノイズ)対策
まずは単純なLCフィルタを作成しました。
ノーマルモードチョークコイルとして330μH電力用トロイダルコイルを使用しました。
コンデンサはスクラップから取り外した680μFを使用しましたが、もっと大きい方がよいです。
このフィルタをUSBアダプタに接続してArduinoに電源を供給した所、何もない状態よりは安定しました。
▼ コモンモードノイズ(電源のプラスとマイナスに同時に流れて地面に抜けるノイズ)対策の追加
LCフィルタにコモンモードチョークコイルと0.1μFセラミックコンデンサを取り付けました。
コモンモードチョークコイルはトロイダルコアに2本の銅線が逆向きに6回ほどコイルが巻いてあり、
同時に電気が入って来ると打ち消しあう仕組みになっています。
スクラップから適当に外してきた部品を組み合わせて作成します。
コンデンサはスクラップから取り外した1000μFを使用しました。
作成したフィルタです、USBオス端子から入力されてメス端子に出力します。
USB電源の種類では、デスクトップパソコンのUSBだと比較的安定した電源として使用できるのですが、
コンセントに挿すUSB電源アダプターは種類によりノイズの強度がかなり変化しました。
複数のUSB電源アダプタを用意して一番良い物を選ぶ必要があると思います。
USB電源アダプタの種類によりうまくいったりいかなかったりするので多数のアダプタを用意して試してみました。
作成したフィルタと良いUSB電源アダプタの組み合わせではA/D変換の値のぶれが1/1024(4.9mV)程度に収まりましたが、
悪いUSB電源アダプタだと20/1024ほど値がぶれて使い物になりません。
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