●圧力計にスイッチをつけてみる

圧力計にスイッチというか接点をつけて、圧力が下がったら警告が出るような物を作ってみたいと思います。
結論から言うと、メーターがゆっくり上がると接点がしっかりくっつかないためうまく電気が流れません。
その時は指ではじいて振動を与えたりする必要があります。

だからと、針でマイクロスイッチなどは動作させる力も無くてマグネットスイッチの場合には針が磁力でうまく戻りませんでした。
後、考えられるのは、静電容量で検出するぐらいでしょうか。
なんというか、こんなことしていないで、素直に圧力センサーを買ったほうがいいです。
そのほうがキッチリ動作しますんで。


まずは、捨ててあった圧力計のメーター部分に基盤の小さな欠片を接着材で張り付けて、スズメッキ線をはんだ付けして接点を付けました。 写真は圧力が上がり切ってON状態の圧力計です。


次に、ON状態での抵抗値を測ってみたところ、725Ωであり、抵抗はかなりありそうです。
ただ、指ではじいたりして振動を与えると抵抗値が下がったりします。


次に、接点のスイッチを使い、リレーを動作させます。
リレーのON・OFFによりLEDを点灯させて警告を出すようにしています。


実際に使用してみた所、導通状態からの圧力の低下は検出できて目的は果たしますが、 絶縁状態から圧力上昇時にはメーターを指ではじいてリセットしてやらないと接点が不安定で電気がうまく流れないようです。


▼接点の抵抗値の変化を読んで動作させる

接点の抵抗値を読み取ってON・OFFを判断するには、抵抗分圧により抵抗値を電圧に変換する必要があります。
マイコンのAD変換回路を使い、抵抗分圧により接点の抵抗値を読んでON状態とOFF状態を検出したいと思います。



圧力計のスイッチと警告を出すLEDをArduinoにこのように接続しました。


実際に制作してみて、以下のプログラムを書き込みました。

void setup() {
  Serial.begin(9600);
  pinMode(2, OUTPUT);
  pinMode(3, OUTPUT);
  pinMode(LED_BUILTIN, OUTPUT);
    pinMode(8, OUTPUT);
}

void loop() {
  static bool out;
  static unsigned int counter;
  unsigned int i = analogRead( A0 );
  Serial.println( i );
  if (i > 500) {//定数を500に変更済み
    if (counter < 10) counter++;
  } else {
    if (counter > 0) counter--;
  }
  if (counter == 10) {
    out = true;
  } else if (counter == 0) {
    out = false;
  }
  output(out);
  delay(100);
}

void output(bool _out) {
  static bool blink;
  static unsigned int count;
  digitalWrite(8, !_out);//警報はデジタルピン8番もHighにする
  if (_out) {
    if (blink) {
      digitalWrite(2, HIGH);
      digitalWrite(3, LOW);
      digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW);
    } else {
      digitalWrite(2, LOW);
      digitalWrite(3, LOW);
      digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW);
    }
    if(count++>10){
      count=0;
      blink = !blink;
    }
  } else {
    if (blink) {
      digitalWrite(2, LOW);
      digitalWrite(3, HIGH);
      digitalWrite(LED_BUILTIN, HIGH);
    } else {
      digitalWrite(2, LOW);
      digitalWrite(3, LOW);
      digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW);
    }
    blink = !blink;
  }
}
導通時には黄色いLEDを1秒毎に点滅を繰り返すようにしています、圧力が低下した場合には赤のLEDを1秒間に5回点滅させます。
アナログピンからの入力は5Vを1025分割した50である0.24VでONと判断するようにしました、接点の抵抗が2MΩ以下ぐらいならONと判断するはずです。
この辺はノイズの状態などで変更したほうが良いかもしれません。
→しばらく使ってみた所、雨の湿度が高い日だと接点が離れてもONになり続けるという誤動作をしましたので、定数を50から500に変更しました。


実際に現場に取り付けた所です。
やはり、圧力上昇時のOFFからのONへの切り替わりには不安が残りますが、圧力低下時の警告はちゃんと動作するようです。
接点自体をもっと改良したらうまくいくかもしれません。


▼接点の改良


針との接点部分が不安定ですので、もっと電気が流れやすくしたいと思います。


圧力計の針を取り外した所、針はアルミ製であり白っぽい銀色をしています。
アルミの表面の酸化膜が電気を流れにくくしているのではないかと思います。


そこで、針の電気が流れる部分にはんだ付けでスズメッキ線を取り付けました。
これで試した所、前よりも明らかに調子よく接点が動作するようになりました。
やはり、針の表面に付いているアルミ酸化膜が動作を不安定にする原因だったようです。

▼しばらく使ってみて
しばらく使っていると当初の間(5年ほど)はちゃんと動作しましたが、 やはり年月が経つとスズメッキ線が酸化して接触してもONになりにくくなってきました。
ONにならない時には指ではじくなど振動を加える必要が出てきました。
解決するには金など酸化しない金属を接点に使用する必要がありそうです。


■ シンプルな解決策
自作接点でなくて既製品のマイクロスイッチを瞬間接着剤で取り付けてみました。
圧力で変化するブルドン管といわれる部分にマイクロスイッチを取り付けています。





スイッチのONとOFFの間がメーター読みで45度ぐらい振れないとカチッと切り替わらないですが、
いわゆる閾値の様に働き考え方次第では都合が良いです。
圧力とON/OFFの調整は、マイクロスイッチの接点金具を指で曲げる事により調整しました。
この方法が単純で一番確実な方法だと思います。

実際に使用した所、圧力を徐々にかけてONからOFFになるのが0.41MPa、メーターが上がった状態から徐々に抜いてOFFからONになるのが0.29MPaでした。
0.29から0.41がヒステリシスとなりうまく動作します。


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