●ウォルサムの懐中時計を分解してみる
分解してみる懐中時計の裏ブタを開けた所です。
素人が分解するので分解順序などがバラバラですし分解方法や扱い方が間違っています、真似しないでください。
そもそも、時計の分解方法は全くの素人で行き当たりばったりで分解してゆきます。
私の場合には分解後、組み立てたら元に戻りましたがリスクが高すぎます。
もし試すのなら壊すつもりで分解してみてください。
腕時計に比べたら比較的部品のサイズが大きくて難易度は低かったですが、ただ、古いものなので代わりの部品が無く、ねじを飛ばしたり、部品を無くしたり壊したりすると一発終了です。
シリアルナンバーを調べると100年ほど前に作られた機械のようです。
ケースとムーブメントをつないでいる2個のねじを外します。
前面のワクを外し、ワクを内側から指で押してガラスを外しました。
ケースの側面のワクの隙間にカッターナイフを差し込んでこじ開けました。
ケース → ワク → ガラス の順になっていて、ガラスがワクで固定されているのではなくて、ガラス自体が表から押し込まれているだけでした。
分解は簡単ですが、問題は組み立て後にどうやってワクとガラスを壊さずにはめるかでした。
前面のワクをはめる時は、多分専用の工具が必要なのでしょうが私の場合には、ケースに当てて指で押しながらワクを回して最後に残った隙間を指で強めに押したらはまりました。
ガラスをはめるのにも、ワクの上にガラスを乗せて指で軽く押しながらガラスを回転させていたらガラスが回らなくなってはまりましたが割れなかったのは多分幸運でしょう。
今回、何度かガラスとワクをはめたり外したりしていますが、多分この組み立て方法は正しくないので真似しない方いいです。
針を外した所です。
針を外す工具は持っていないため、飛ばさないように注意してカッターナイフを隙間に差し込んで外しました。
ちなみに、組み立て時に針を戻す時は、指で位置を調整してピンセットの手元の平らな部分で押して戻しました。
ゼンマイを緩めます、ゼンマイの入った部分を指で軽く押さえながら、ちょっと巻き上げて、逆回転防止のロック部分に指のツメをひっかけながら操作してゼンマイのトルクをゆっくり抜いていきます。
一気にゼンマイの力を抜くとギヤがダメージを受けて壊れます。
この部分が巻き上げ機の逆回転防止ロックの部分です。
リュウズを引いて、ムーブメントをガラス側に押すとケースと分離できます。
まずは、ネジ一本で固定されていたテンプをはずしました。
ネジ2個で固定されていた歯車の上のカバーを外しました。
ムーブメントを置く台は、新品のビニールテープの穴の部分を使用しました。
ネジ1個を外してゼンマイの巻き上げ逆回転防止のツメを外しました。
ゼンマイと巻き上げ機の歯車の頭についていたネジを外します、円盤の薄い部品はギヤを押し付けるバネの役割があるようです。
厚さのわりに非常に硬い金属でできていました。
巻き上げ機のギヤを二つはずしました。
巻き上げ時にギヤを止めているセンターのネジが緩まないようにするための引っかかりを作るネジをはずしました。
ムーブメントの歯車を止めているプレートのネジを二つ外したのですが、分離できません。
よく見ると、ムーブメントの外周に薄い真鍮製のリングがはまっていました。
多分、ケースとの隙間を調整するための部品だろうと思います。
側面からリングとムーブメントの隙間にカッターナイフを差し込んでリングを外すと、プレートが外れました。
2個のネジを外してプレートを外した所です。
プレートには部品が一つ付いていました。
ゼンマイの入っている箱を外した所です。
箱の中にはゼンマイがはいっていました。
ゼンマイはなんら固定されておらず、軸と箱の中側に引っかかるためのツメが設けてあり、ツメに引っかかる事により動作するようです。
とりあえず、がんばって指でつまんで巻き戻して元にもどしておきます。
歯車をはずしました。
ふと、文字盤が付いている事に気が付き、外すことにします。
側面を見ると、3ヵ所のネジで止まっており、ネジを全部外したら、となりの穴から文字盤をつまようじで軽く押すと外れました。
文字盤を外した所です、ホウロウでできた文字盤の裏側がみえます。
軸のセンターにある短針を取り付けるギヤを外しました。
ネジを1本はずしてカバーを外します。
ちなみに、ムーブメントを置く台を持っていないため、新品のビニールテープの穴に置いて作業しています。
今回の分解に使った道具は、100均の精密ドライバーセットとドライバーを研ぐヤスリ、ピンセット、つまようじ、カッターナイフ、ルーペと新品のビニールテープです。
分解後は100均のライターオイル(多分ホワイトガソリンかベンジン)で部品を洗浄し組み立てました。
時間調整のギヤを外しました。
短針を動かすギヤを外しました、これでこちらの面では外せる所がなさそうです。
裏面に戻って、ココのネジを外して丸いプレートを外します(ピンボケ御容赦!)。
厄介そうなアームとスプリングが見えます。
アームとスプリングを取り外しました。
アームを再度組み立てる時には、巻き芯のセンターから出ている軸をつまようじでひっこめてから、
このように組みなすと元に戻りました。
あと、残るはココだけのようです。
ネジ二本を外して取り外しました。
センターのギヤと、巻き芯部分はカシメて取り付けてあるようで、外すのは無理そうです。
(後で知ったのですがこれは筒カナという部品で外せるようですし、巻き芯部分の部品も外せるようです)
取り外せそうな部品はすべて取り外した表側です。
後は、部品を洗浄して、組み立てなおします。
この時、アルコール系の物で洗うと各種ルビーを固定しているシェラックという接着剤が溶けて終了するそうです。
私は100均のライターオイルで洗浄しましたが、正しいかどうかわかりません。
よく見ていると注油は組み立て後に表面と裏面の軸受けの穴に差すような作りになっている気がします。
長い間使われず動かなくなったクオーツ時計でも、表から見える歯車の軸受けの金具の部分にライターオイルを付けて指でこすって洗浄すると復活するときがあります。
数年に一度と言われるオーバーホールでは完全に分解などしなくても、文字盤を外してジャブジャブ洗浄して油を差せばいいんじゃないのか?と思ったりしました。
まあ、全くの素人が勝手に言っているだけなので御容赦を!!
■組み立て後の歩度調整
このまま、油なしで組み立てた所、一日当たりの日差が30分ぐらい進み、テンプの振れが少なくゼンマイが少なくなってくると止まりました。
時々ギギっとゼンマイの擦れる音がします。
そこで、ホームセンターに売っている潤滑スプレーのCRC556をムーブメント自体にほんの少し軽くシュッと吹きかけた所、ゼンマイの擦れる音もしなくなり、テンプも快調に動くようになりました。
しかし、時計の緩急針をいくら遅れるように調整しても一日2時間ほど進みます。
油がサラサラだからだろうと思い、粘度の高いオイルとしてダイソーに売っているベビーオイルをガンギ車のツメとテンプの軸に塗ってみました。
そうすると、一日当たり1時間ほど遅れるようになりました。
色々試行錯誤し精度が高かった方法は、
ムーブメント自体をベンジンに沈めて油を取り除いてから、再びCRC556をムーブメント自体に軽くシュッと吹きかけます。
CRC556の油とベビーオイルを混ぜたものをガンギ車のツメとテンプの軸に塗りました。
CRC556の揮発成分が揮発して粘度が安定するまで数日待ちます。
精度が緩急針の範囲を超えている時は何度も洗浄と注油をやりなおします。
その後、平置き1姿勢のみで歩度を調整していくと日差が一日あたり4秒ほどゆらぎますが大体正確にすることができました。
半年ほど動かして様子を見ていますが今のところ問題なく動いています。
素人が何の知識もなく調整しているので間違っていると思いますので真似しないでください。
私の持っている他のゼンマイ腕時計では分解して油を洗い去ってもゼンマイをいっぱいに巻いた状態ならしばらく動作しますし、精度も緩急針で調整できる範囲で収まります。
油なしの状態でもこれほど大きく精度に影響は及ぼしませんでした。
私個人の意見としては、この手の時計は油の粘度が精度に大きく影響するような気がします。
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