■FA-M3とパソコンリンク
パソコンリンクとは、パソコンからシーケンサに対しEthernet接続で、レジスタ・リレーの読み書きが出来る機能です。
Ethernetインターフェースモジュールとパソコンリンクモジュールもしくはパソコンリンク機能を持つCPUが必要です。
Ethernetモジュールのデータ形式設定はASCIIに設定し、CPUは1番スロットに取り付けました。
手持ちのSP35-5N CPUのマニュアルを見ると、シーケンサのポート番号12289にTCP/IP接続してコマンド文字列を送信すると書かれています。
そのポートに接続してコマンド文字列を送信してみます。
□使用するTCP/IPクライアントについて
ここで使用するTCP/IP接続ソフトはココにあります。
このソフトは単純にTCP/IPで接続し、文字列を送信するのみのソフトです。
VBなどでもTCP/IP接続は簡単に行うことができます。
▼テストコマンド
まずは通信が出来ることを確認するためにテストコマンドを送信します。
0@TST*******

@ にはCPUのスロット番号を入れます
*******には任意の文字列を入れます
コマンドが成功した場合には、
1@OK*******

送信した文字列をともに、OKという文字が含まれた文字列が帰ってきます。

▼レジスタの読み出し
まず、呼び出すワードデータをWideFieldを使い、シーケンサのD00001からD00004に書き込みます。
書き込んだデータをパソコンリンクで呼び出します。

シーケンサに送信するコマンド文字列は、
01WRD******,@@

****** には先頭レジスタを指定します
@@ には連続して読み出す数を指定します

レジスタの内容が呼び出されている事が確認できます。
▼レジスタへの書き込み
パソコンリンクでレジスタに値を書き込んでみます
01WWRD00001,04,1111222233334444

上記のコマンド文字列を送信することにより、D00001から4つのレジスタに値が書き込まれます。
D00001 ← 0x1111
D00002 ← 0x2222
D00003 ← 0x3333
D00004 ← 0x4444

コマンド送信後、WideFieldでレジスタの内容を確認してみると、きちんと書き込まれれいることが確認できます。

▼リレーへの書き込み
01BWRY00301,004,1111

上記コマンドを送信することにより、3番スロットに接続された出力リレー Y00301からY00304に値を書き込みます。

ビットが書き込まれることにより、出力リレーの1番〜4番がON状態になっていることが確認できます。

▼リレーの読み出し
01BRDY00301,010

上記コマンドを送信することにより、3番スロットに接続された出力リレー Y00301から連続するアドレス10個分のリレーを呼び出すことができます。

■PCからシーケンサの時刻設定をしてみる
マニュアルを見ると、時刻設定を行うにはワンスキャンタイム以内にZレジスタに修正時刻を書き込み、
時刻設定フラグをONにすると時刻修正が完了すると書かれています。
しかし、パソコンリンクではそんな高速に書き込むことはできません。
そこで、ラダーと組み合わせることにより実現したいと思います

このラダーシーケンスでは、Dレジスタに設定用のデータをあらかじめ用意しておき、時刻設定開始フラグを立てることにより、時刻設定を行います。
▼上記ラダーをシーケンサで走らせておき、パソコンリンクでDレジスタに修正時刻を書き込みます。
@2010年10月10日10時 のDレジスタに書き込む送信文字列の送信
01WWRD00001,04,0010001000100010

A時刻設定開始フラグを立てて、その後、フラグを落とす
01BWRI00001,001,1

01BWRI00001,001,0

B設定された時刻を確認
Zレジスタを参照することにより、時刻が設定されたことを確認します
送信文字列
01WRDZ00049,06

受信文字列
11OK001000100010001000480014

▼WideFieldでレジスタをモニタすると、時刻が設定されたことが確認できました。

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